Q:漢方薬は不味いですよね?

漢方Q&A
A:決して美味しくないですが、証(その方の症状や体質)に合った漢方薬なら「美味しい」と感じることがあります。

漢方薬が敬遠される理由の一つが“味”です。
一般的となったエキス剤の多くが顆粒です。煎じ薬に比べれば抜群に飲みやすくなっているとはいえ、独特の風味があります。

証が合っていれば、「おいしい」とまでいかなくても、風味が苦にならないことが多いです。
そして、おいしいと感じたり、苦にならなかった漢方薬をのんで「あれ?こんな味だった??」と思った時は、漢方薬の変更や中止を考える時だともいわれています。

だからといって、「不味い」から証が合っていないという訳でもないです。
子供は特にそうですが、経験のない味覚は受け入れにくいものです。
渋々のんでも、それで体調が良くなれば「のもう!!」という気にもなれそうですが、「我慢して」「頑張って」のむという行為自体、「その人にとって程よい状態をめざす」漢方の信条から少しずれてしまう気もします。

上手に漢方薬をのみ工夫は主に3つです。
①オブラートや服薬ゼリーを使う
漢方薬の一回量はそれなりなので、飲み込みやすい量に分けてオブラートに包みます。
服薬ゼリーの場合、全体を包み込むようにすると良いです。色々な味がありますが、風味のある漢方薬は、チョコ風味がマスクしやすいようです。

②食品にまぜる
子供にお薬を飲ませる場合に用いることの多い方法です。
漢方薬の風味をマスクするには、ほろ苦さのあるものと混ぜるのがオススメです。
チョコクリーム・ココア等が使いやすいです。
アイスクリームは、抗生物質等の一般的な薬を子供に飲ませる時にも使われますが、漢方薬の場合はバニラアイスよりもクッキークリームアイスの方が美味しく?のんで(食べて?)もらえるようです。

③剤形を変える
漢方薬は顆粒だけではありません。全てではないですが、錠剤やカプセル剤の他、ゼリータイプや液体タイプがあるものもあります。

残念ながら、子供でも大人でも、どんな工夫をしても、やはり「漢方薬、のめないよ…」という方がいらっしゃいます。
無理して苦行のように服用を続けるのは、ストレスのもととなるかもしれません。漢方の観点からは、ストレスは“気”(≒エネルギー)が滞る“気滞きたい”の要因となります。


漢方薬という選択肢しかなかった昔ならいざ知らず、今では他にも選択肢が沢山あります。
西洋薬・サプリメント・養生…漢方薬にこだわらず、“健やかな毎日”を目指す方法をお伝えしていきたいです。